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2022.4.01

2022/04/01 輝く子どもたち特集⑦

~2021年度 学園だより 10月号より~

『イイクニorイイハコ?』   新屋 雅彦(5年算数)

授業の始まり、5年生はwarming upからスタート。「今日の日付は令和3年7月16日。3,7,1,6の4つの数字で10をつくる。」

勢いのある子どもたち、すっと手が上がる。「7+6÷2+1・・・。」今日はいい日になりそう。

授業終了後、子どもが黒板のところへやってきた。なんのことかと思いきや「先生、鎌倉幕府の始まりは1192(イイクニ)年だと思う?それとも1185(イイハコ)年だと思う?」算数の質問なら…と思いながらも、反応しなくてはと思い、咄嗟に「4つの数字で10が作れる(四則演算)方かな」と答えてしまった。すると、1分もたたないうちに「わかった、わかった、イイクニの方でしょ。だって・・・・で10になるからね。」と子どもたち。「イイハコのほうは10にならないの?」となげ返したところでチャイム。

時は流れて、二学期。「先生、イイハコも10になるよ。」と子どもたちが私のところに飛んできた。確かに10になる。「ではイイクニかイイハコか結論は出ないようなので、今後の研究に期待しましょう。」ということでこの件は終了。夏休みという長い空白、子どもたちはよく覚えていたと思う。

あれこれ試行錯誤しながら正解への道順を発見したとき、なんともいえないいい感じになる。そして、言いたくて言いたくてしょうがなくなる。これこそが算数の蜜の味なのかもしれない。今でこそ電車にのるとスイカやパスモで改札を通るのが主流。ちょっと昔は切符を買って乗った。そしてその切符に印刷してある4つの数字で10をつくり数の小旅行を楽しんだもの。10になったら今日は大吉。何かいいことがありそう、なんて思ったもの。いろいろな場面で蜜の味がしそうな問題がある。子どもたちも蜜の味がしそうな問題だったらさらに算数を楽しむかもしれない。

1192か1185

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