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2022/04/05 輝く子どもたち特集⑮
~2021年度 学園だより 学年末号より~
『大きくなるっていうことは?』 萩原和晃(2年 社会科)
学園生活にも慣れ、いよいよ初めてのクラス替えを迎える2年生。その準備として、これまでの自分の成長を振り返ってもらい、どんな3年生になりたいのか?を生活の授業で考えてもらいました。
まずは、「これまでにできるようになったこと」を聞きました。「縄跳びが跳べるようになった。」「漢字が書けるようになった。」「計算が速くなった。」などの目に見える成長が出てきます。そこで、国語の授業では、友だちに自分の紹介をしてもらいました。すると、「あきらめない」「優しく、励ましてくれる」「意見が反対の人に耳を傾けられる」などの目に見えない心の部分の記述がありました。考えてみれば、美容師さんであっても自分の髪を切ることには苦戦をし、自分の本当の声は録音しないと聴くことができません。人は、自分のことを把握しづらいようにできているのかもしれません。
もう一度生活に戻って、自分の事を知るために、自分の生い立ちをお家の方に聞いてもらうことにしました。みんなの聞いてきてくれたものを見ると、自分の名前の由来に視点が集中しました。「一つの言葉にこんなに思いが込められているんだ。」と。そして、「今のみんなは、この名前の意味と近い?」と聞いてみました。悩みながら手を挙げる子どもたちの姿が、そこにはありました。最後に、「どんな3年生になりたい?」と聞きました。「人のことを助けられる、人を大切にできる人になりたい。」「何回もチャレンジして、諦めないようになりたい。」「みんなのことを理解できる賢い人になりたい。」「努力をして、もっと良いことを増やせるようにしたい。」など、自分なりの在り方が次々に出てきました。
人は、生きる喜びは「与えられること」から始まると言われています。これまで、家族を始めとして多くの人から、たくさんのことを与えてもらいました。そこから、「できるようになる」喜びを感じ、自信を持っていくようになりました。できることが増えれば、誰かに「与える」ことができるようになります。このように考えていくと、人は誰かのために生き、自分の喜びを増やしていく生き物だと言えます。
ある日、こんな詩を書いて、紹介してくれました人がいました。
大きくなるっていうことは、できることがふえるっていうこと。 大きくなるっていうことは、字が上手になるっていうこと。
(自分の名前を漢字で書いていました。)
大きくなるっていうことは、ママとパパを卒業するっていうこと。
大きくなるっていうことは、新しい自分がはじまるっていうこと。
大きくなるって、そういうこと。
またひとつ大きくなった。
おめでとう私。
まさに、「自ら」喜びの形を言語化し、自分を肯定的に評価していくという素敵な在り方を示してくれています。もう先生からは卒業!お家の方からは卒業!…と思いきや、算数の問題に苦戦し、友だちに聴き、何度もやり直す姿がありました。頼ることが、また新たな「与える」を「新しい自分」をつくっていくのでしょう。またひとつ大きくなりましたね。おめでとう!
みんな、この2年間、私にたくさんのことを与えてくれて、本当に有難うございました。